オフィスワークをしている方なら、毎日スーツを着ますよね。
そのスーツのお手入れってどうしていますか?
「特になにも…」という方も結構多いのではないでしょうか。
もしかすると逆に「結構頻繁にクリーニングに出してるよ!」という方もいらっしゃるかもしれません。
さて、ではどちらがスーツのためにいいのでしょうか?
そりゃあ、頻繁にクリーニングに出したほうがいいわよ。長い間汚れたままなんて服によくないもの
…って思いますよね~!正解は実は「どちらも良くない!!」です!
ええ~~!!?どういうこと!?
目次
スーツのクリーニングとは
元々スーツってあまり洗濯するイメージがないですよね。
確かに、使われている素材の多くがウール、もしくはウール混なので、スーツは基本的に家で洗濯することはできません。
家で洗えない素材のものをキレイにするために利用するのがクリーニングです。
スーツもクリーニングに出すのが当然となっていますよね。
では、クリーニングではどのようにスーツを洗っているのでしょうか。
スーツは基本的にドライクリーニング
ウールの繊維の表面はウロコのようになっており、乾いている状態だとそのウロコは閉じているのですが、水に濡れると松ぼっくりのようにウロコが開きます。
その状態で動かすと、開いたウロコがひっかかり繊維が絡み合って収縮したり、固まってしまいます。
だからウールを水で洗うと縮むのね
クリーニング屋さんではウールなどの水洗いできないものは石油系の溶剤を使ってドライクリーニングという手法で洗います。文字通り「水を使わないクリーニング」ということですね。
水だと開いてしまう繊維のウロコですが、油では開かないので、クリーニングだと縮まずにキレイになるというわけです。
水を使わなくてきれいになるの?
不思議な感じがしますよね。でもマニキュアに例えれば分かりやすいのではないでしょうか。
マニキュアは水では落とせませんが、除光液ならスルッと落ちますよね。
あれもマニキュアの油分に、除光液のアセトンという成分が働きかけるので落とせるんです。
いわばドライクリーニングと同じ原理なのです。
ドライクリーニングは、主に皮脂や油汚れなどをよく落とします。逆に汗や醤油やコーヒーなどの汚れにはあまり効果がありません。
そんな場合クリーニング店ではウェットクリーニングという方法もあります!
ウェットクリーニングって?
ドライクリーニングは油を含んだ汚れはよく落としますが、水に溶ける汚れはあまり落とせません。
クリーニング店ではウェットクリーニングという方法でそこをカバーしています。
ウェットクリーニングとは、特殊な洗剤を用いることで、水を使ってクリーニングする手法です。
これには高い技術力が必要となるので、クリーニング店でもすこし割高なことが多いですね。
スーツのクリーニングしすぎにご注意を!!
…ところで、どうしてクリーニングに頻繁に出すのがスーツに良くないの??
それは「油分」がカギなんです!
過度なクリーニングでスーツが傷む?
スーツには多くの場合ウールが使われていること、なので石油系溶剤を使ったドライクリーニングで洗う、ということをお伝えしましたが、それが一方でスーツを傷めることにもなるんです。
マニキュアを落としたとき、爪が白くなったり指先がカサカサになっちゃった!!という経験をしたことがありませんか?
それは除光液の成分であるアセトンが、マニキュアだけでなく爪や指先の油分まで奪ってしまうからなんです。
ドライクリーニングも、スーツに使われているウールの油分を奪ってしまうのです
油分を奪われたウールは艶やハリがなくなり、見た目が悪いだけでなく、汚れや埃を弾く力がなくなります。
また、摩擦にも弱くなりますので、毛羽立ちやほつれ・破れなどが起こりやすくなるんです。
良かれと思ってクリーニングし過ぎると逆に傷んでしまうのね…
でももちろんクリーニングをまったくしないのもよくないんですよ!
スーツのクリーニング頻度は?
ではどのくらいの頻度でスーツをクリーニングすればいいのでしょうか。
一般的な目安としては1シーズンに1回と言われています。大体3ヶ月に1回くらいですね。
しかしオフィスでデスクワーク中心の方やあまり汗をかかない方と、外回り中心の方や汗かきの方ではその頻度も変わってきます。
また、汗をかきやすい夏季と汗をかきにくい冬季でも違ってきます。
・デスクワーク中心
・あまり汗をかかない方 ・汗をかきにくい冬季 |
目安どおり3ヶ月に1回くらいでいいでしょう。 |
・外回り中心
・汗をかきやすい方 ・汗をよくかく夏季 |
大体2週間に1回程度を目安に。 |
クリーニング回数を減らすためには…
毎日のお手入れでクリーニング回数を減らすことができますよ~
脱いだら木製のスーツ用ハンガーにかける。木製は吸湿・消臭作用もありますよ。スーツ用ハンガーは肩のラインが崩れないのできれいな形を保てます。
汗やタバコのニオイが気になる時は、お風呂上りのお風呂場に一晩吊っておく。ニオイの成分は水に溶けやすいので、お風呂場の湯気をたっぷり含ませるとだいぶスッキリしますよ。スチームアイロンの蒸気でもOK!布にアイロンを当てず、蒸気だけ当ててくださいね。きちんと乾かしてから着用してください。
脱いだ後は洋服用ブラシでブラッシングする。スーツの表面だけでなく、繊維の奥の埃や花粉なども掻き出してくれるのでキレイに保てます。また、着用時の圧迫などでつぶれた繊維を起こすことで、ふんわりとした質感が戻り、スーツが長持ちしますよ。
CMなんかでやってる布用の消臭スプレーはどうなの?
実は、急いでニオイを取りたい!などの緊急時以外は使わないほうがいいんです。
布用の消臭スプレーには、洗濯する機能はありません。汚れやニオイに引っ付いてフタをするようなイメージなので、繊維に余計汚れやニオイをこびりつけてしまいます。
また、スプレーには多くの場合水が含まれているので、ウールやデリケートな素材の服はシミになったりごわつきなどが出る可能性が高いのです。
フタをされた汚れがのちのちシミになって現れることもあります。
スーツはローテーションで!
スーツの痛みを軽減するには、お手入れだけでなく、そもそもの着数を増やすことも有効です。
何着かを回し着してその都度お手入れすれば、その分クリーニングの回数も減らせますし、スーツの寿命も延びますよ。
夏場などは洗濯機で洗えるウォッシャブルスーツを選べば、より清潔に着用できますよ!
まとめ
ウールが含まれているスーツは元々おうちでの水洗いができません。
なのでクリーニング店でのドライクリーニングが中心となりますが、石油系溶剤を使うドライクリーニングはウールに含まれている油分まで奪ってしまうので、繊維が傷み、スーツの寿命を縮めてしまいます。
クリーニングに出す回数は大体1シーズンに1回が目安となりますが、外回りや汗をよくかく方などは2週間に1回くらいが目安になります。
クリーニング回数を減らすためには、おうちでの日常的なお手入れが大切です。
脱いだ後の湿気を取ったり、繊維の汚れを取り除いてあげると、キレイな状態が長く続きますし、スーツの寿命も長くなります。
汗をよくかく方や夏場などはウォッシャブルスーツも活用するといいでしょう。
布用の消臭スプレーなどは、汚れを繊維にこびりつけてしまうことになるので、よほどの緊急時以外はスーツには使用しないほうがいいでしょう。
今度の夫の誕生日プレゼントはスーツ用のブラシにしようかしら!
それいいですね!!じゃあ私のオススメはね……