何かの商品やサービスを購入する際、当然安ければ安いほど良いですよね?私もマクドナルドで「100円マック」が登場した時は非常に嬉しかったのを覚えています。味も普通に美味しいし、100円でこの満足感を得られるなんてコストパフォーマンスが非常に高いと思いました。

 

でも、「どうして100円で販売できているのか?」なんてことは考えたこともありませんし、考えたところで恐らく分からないと思います。とはいえ、「安物買いの銭失い」という言葉もあるように、劣悪な商品を購入することで結局は浪費に繋がっていたり、自分の健康を害したりしているのだとしたらやるせないとは思いませんか?

 

安さの背景には一体どのような謎があるのか、そして安さを求めて行動することは良くないことなのかどうか、私たちが日頃から気になってはいるけれどもどこか知ることを避けていたようなこのテーマについて調査してみたので、今回はそのことについて共有していきたいと思います!

 

目次

「安さを求めて行動すること」自体は悪ではない

冒頭にお伝えしたような100円マックを購入することや、例えば主婦の方が安さを求めて自転車に乗ってスーパーを巡るような行為は果たして悪いことなのでしょうか?

 

結論から言えば、「安さを求めて行動すること」自体は悪ではありません。私なんかはバブルの崩壊直後に生まれたということもあり、「失われた30年間」の中で育ってきた、まさにデフレの申し子のような存在です。

 

企業側からすれば、「消費者は安さばかりを求めるな」という批判があるでしょうが、「安さを求めてナンボ」のような価値観をもって生きてきた我々消費者にとっては簡単には受け入れがたいことです。

 

「安さ」が、私たち消費者を惹きつける大きなポイントの一つになっている事実は誰にも否定できないことだと思います。

 

ただ安ければ良いというわけではない

では単純に安ければそれで良いのでしょうか?「そりゃそうでしょ!」と私はちょっと前まで思っていましたし、多くの方も同様なのではないでしょうか。

 

例えば、100万円のバッグが半額セールで50万円で売られていたとしたらめちゃめちゃ嬉しいですよね!私が仮にすかさずそのバッグを買ったとして、でもよくよく考えてみると、安く買うことができたという「お得感」はあるかもしれませんが、100万円もするカバンを身に付けているという特別感」は損なわれてしまうと思います。

 

そう考えると、私たちは商品やサービスそのものではなく、そこから得られる価値に対してお金を払っていることが分かります。安ければ良いと考えるのは当たり前ですが、価値の大きい商品やサービスであれば高くても十分に満足できます。

 

つまり、たとえ安いものであったとしても、そこから「価値」や「満足」を得られなければお金を払うに値しないということが分かってきました。

 

その「安さの背景」を知っているかどうかが大事

「そんなこと言われても、100円マックの価値は自分にとって絶大だよ!」というかつての自分の反論が聞こえてくるようですw

 

確かに、安い上に価値を見出すことができているのであれば何の問題もないように思います。しかし、そこに安住して「安さの背景」を気にも留めない自分の姿勢が、いろいろな歪みを生んでいるということについては全く知りませんでした。

 

遺伝子組み換え食品

具体例を交えてお話ししていきますね。モンサントという、遺伝子組み換え作物の種で90%の世界シェアを持つアメリカの企業があります。アメリカでは遺伝子組み換え作物に反対する活動が行われていて、ある州では遺伝子組み換え食品の表示が義務化される法案が可決されました。

 

この法案に対してモンサントは猛烈に反発しているわけですが、それは当然という感じですよね?でも、私たちが大好きなスターバックスも反発していると聞いたらどうですか?「えっ、何であのお洒落で洗練されたイメージのスタバが反発しなきゃいけないの?」という感じですが、つまりスタバも遺伝子組み換えの食品を使っているというわけです。

 

ちなみに、世界で一番遺伝子組み換え食品を口にしているのは日本人であるという統計もあるそうです。遺伝子組み換え食品を食べることが悪いことなのかどうかについては今回は割愛しますが、生き物(作物)が本来持つ遺伝子を勝手に人工操作して、通常の自然界には存在しないものを私たちは普段から口にしているということになります。

 

安さは大きなリスクを伴う

私はもともと、賃貸アパート大手のレオパレス21の物件に住んでいました。家具家電がついていて、それでいて割安という、それこそ安さを大きな判断基準として入居を決めたのですが、昨年激震が走りました。そう、ご存じのように大量の施工不良物件があることが発覚したのです。

 

私はその時はもうレオパレスに住んではいませんでしたが、実際に住んで好印象を抱いていただけに、「えっ、あのレオパレスが!?」と驚きを隠せませんでした。

 

どうやら同様の事案がリフォーム工事の現場でも頻発しているようで、本来入れるべき補足材を入れないとか、必要な断熱材を入れないとか、入れても必要数は行っていないとか、とにかく手抜きが蔓延しているようです。

 

それらは全て、利益を削ることを超えて、削ってはいけない手間や材料を惜しんでまで安くした結果なのです。考えてみれば分かりますが、建築のような特殊な技能を求められる場では、量産もできませんし、技術者を短期間に育成することもできないですよね。

 

そうした状況下で薄利多売を行おうとすると、質が極端に落ちてしまうことは火を見るよりも明らかです。私たちが安さを求めた結果、このような事態を引き起こしてしまったとも言えるのです。自分がどのような価値を求めているかを知る

 

自分がどのような価値を求めているかを知る

 

「じゃあ全部高いものを買えば良いってこと?それじゃ身が持たないよ」というのはまさにその通りで、全部が全部高いものを買いましょうということではありません。

 

上記のような社会問題をどのように解決していけば良いのかということは私には分かりませんが、まずは「知ること」が大事なはずです。例えば、遺伝子組み換え食品の表示が義務化される法律についても、私たちが「知ること」を恐れているからこそ反対している企業があるわけです。

 

そうした知ろうとする意識を持った上で大事にすべきは、私たちがある商品やサービスに対してどのような価値を求めているのかを明確にするということです。

 

例えば食事一つとってみても、かつての私は「とにかくお腹が膨れれば良い」と考えていたので、いかに安く抑えた上でお腹を満たすかということに重きを置いていました。

 

しかし今となっては健康も気になりますし、あまり極端に安いようであれば、上述のように遺伝子組み換え食品を使っているのではないかという疑問も頭をもたげるようになりました。

 

つまり、「安さ」よりも「価値」を重視するようになったと言えます。そのように、自分にとって「安さ(モノ、物質的欲求)」よりも「価値(コト、精神的欲求)」が大事なものは何かということを一度ゆっくり考えてみても良いのではないかと私は思いました。

 

まとめ

  1. 「安さを求めて行動すること」自体は悪ではないけれど
  2. ただ安ければ良いというわけでもない
  3. その「安さの背景」について考えを巡らせた上で
  4. 自分がどのような価値を求めているかを知ることが大事

 

私自身、今回いろいろと調べる中で社会の深淵を垣間見た思いです。やはり思考停止してただただ安さを追い求めるわけではなくて、しっかりと考えた上で行動するというのが大事ですね。

 

うがった見方ですが、一部の企業からすれば、そのような無知である私たちのままでいてくれたほうが搾取しやすいわけですよね。せっせと節約に励んだ上で、それで結果的に搾取されてるなんて悔しくないですか?

 

あくまで一部の見方ではありますが、そのような現実があることも事実なので、ただただ安さに振り回されるような自分ではいたくないなと身が引き締まる思いです。